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Hōkele Malama Columns

親ページが「Residencial Azul」から「Hōkele Malama」に変わったので、このBlogのタイトルも変わりました。渾身の(とまではいかない)Columnページです。

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マデイラ島の花々と、噴水ギター

32.jpgいらっしゃいませ。

11月10日、Esquina do Somの久々のソロライブがあった。今回は、9月に放映された「探偵ナイトスクープ」でのご縁でマデイラ島出身のポルトガル人、カストロさん(やっぱり、 みんな「議長」って呼ぶ。)がゲスト。


「議長」が奏でるのは、ポルトガルでは「アルモニカ」と呼ばれるボタン式アコーディオン。と、一般的に言う「ハーモニカ」。 マデイラ島に住んでいた頃、酒場で「アルモニカ」を弾くと、客からビールなんぞをご馳走してもらっていたそうな。


テレビ放映のときは、とても聴けたしろものではなく、 北野誠氏からも、「どこで始まってどこで終わったん?」
とつっこまれる状態だったのだけれど、あれから2ヶ月、「議長」はしっかり練習して、カンを取り戻して絶好調。

カラっとしたアルモニカの音色を聴きながら、まだ見ぬ マデイラ島の花々を妄想する。きっと私はその土地では、 カメラにモノクロフィルムを入れることはないのかも、などと...

今回は久々にEsquinaのライブに足を運んでくれた方から「雰囲気がかわった。」とのコメントを頂く。特にM君。おとなの雰囲気というか、今までと違う感じが演奏や見た目に感じられるらしい。 確かに今回はトークが面白かった。自分の内面からでる言葉をとにかく出そうとする試みは以前はなかったように思う。

以下は私の考えなのだけれど、おとなの雰囲気というものは、演出するものではなく、表現スタイルをそれっぽくこねくりまわすことでもなく、自己が固まってきて、それを表現者として表に出していくことの必要性を意識的に感じてやっていくことで出てくるんじゃあないかなと思う。その分、M君、異常に汗びっしょりになったけどね。

Esquina全体も変って来たと思う。いい意味での湿り気が出てきている。
リスボンで初めてファドを聴いたとき、何度かダンナに連れられて聴いたとき、感じたのは、

 「ポルトガルギターって泣かない。」

どちらかというと、カラカラとしたラテンの土地特有の渇いた音の印象が強かった。その感覚は今でも変らない。 私自身も装飾の強い、「のばし」が過多なファドの演奏・歌はあまり好きじゃない。

日本人とポルトガル人の「泣く」ってことは、多分違うんだろうな。まあ、当然といえば当然だけれど。

こんなことを書いていたら、後ろからダンナが

 「ギュンギュン鳴らしてで評価されたのは、ジョゼ・ヌネスっていう伝説のギタリストだけやで。」

とのたまう。

さて、じゃあ先ほどのEsquina「湿り気」なんだけれど、 涙と海の演歌系な濡れではなく、イベリア半島の大地を突然襲うスコールであったり、無数の村々に必ずある、 プラサ(広場)の噴水のスプラッシュであったりする。

私もそうだけれど、私の友人に多い、30歳前後の女性たちは、通り雨やその雨の上がった後の、涼やかな程度の湿度を好むように思う。「歳とったら、演歌を自然に口ずさむようになる」って、昔TVで誰かがコメントしていた。歳を取ったけど、何がどういいのかわからないし、耳障りでしかない。ファドを何の先入観もなく、現地で最初に聴いたのがよかったと思う。「ファドは日本の演歌」なんてことを最初に言われていたら、絶対聴くことはなかっただろうなぁ。

Esquinaには泣かないでほしい。ってダンナに言ったら、

   「泣かへんがな。」

とあっちへ行った。

12 November, 2000
junco

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