年末年始、特に年始に寝込んだこともあって、ビデオやテレビをトドのように転がって観る。
映画はずっとお友だちだった。
映画館に行くお金がなかった中・高校時代は、映画雑誌だけで映像を「創造」した(想像ではない。我ながらすごい)。
映画館に行くお金が少しできた大学時代は、名画座に通った。ちょっと前の映画や、ずいぶん前の映画を2本立てとか、3本立てで400円~800円ぐらいで見ることが出来る場所。「大毎地下」「毎日文化ホール」「キリン会館」「三越劇場」なんかによく行ったなあ。大作ではないけれど、みたいなアメリカ映画が多かったかも。
バブル時代は、試写会がほとんど毎日どこかでやっていたような気がする。
90年中盤~後半になって、ピタっとハリウッド映画を観なくなり、アジア映画やヨーロッパ映画ばかり観てた。ミニシアターにもよくいったっけ。好きだったのは、「シネマ・アルゴ」「シネヌーヴォ梅田」「国名小劇場」...
映画館に行かなくなって、ビデオもDVDも観なくなったのは一人暮らしを初めての頃だから、4年ぐらい前。マンションにビデオをあえて持っていかず、Wowowも解約した。「そんな時間はない」 いろいろな事情があって、覚悟みたいなものが必要だったから。
それから、ずーっと映画なしの生活が続いているけれど、やっと最近DVDを借りてきてちょこちょこ観る余裕が出来てきた。こだわりみたいなものは今はないし、どちらかというと「ない」スタンスで観たいと思うようになった。
で、年末年始のラインナップ
スペース・ジャム | バスケットボールのマイケル・ジョーダンがワーナー・ブラザーズの アニメキャラたちと戯れる、愛すべき小品。 |
ラブ・アクチュアリー | 「フォー・ウェディングス」や「ノッテンヒル」のスタッフで 作った、 キュートな群像劇。 ヒュー・グラントはこの スタッフの映画では「いい人」。 |
欲望 | ミケランジェロ・アントニオーニ監督。 カンヌのパルム・ドール受賞。 原題は「Blowup」 (写真の引き伸ばしの意)。昔読んだミステリー 小説の中で、登場人物の女が、写真家が引き伸ばして行く過程は、 性的な比喩だ、とかなんとか言ってたのがどうも印象に 残っていた。 |
幻の湖 | 文字通り、幻の迷作。一人で観てはいけない.... |
大統領の陰謀 | 衛星放送で観た。ウォータゲート事件に始まる、 ニクソン大統領の陰謀 を暴く記者を描いた。最近、 ニュースソースの「ディープスロート」が、 「あれは僕です」と名乗り出る。 |
ホント、取り止めがない。でも、この流れでしばらく行こうと思ってる。
ところで、最後の「大統領の陰謀」。確か「毎日文化ホール」で観た記憶がある。良くも悪くも、アメリカの影響を燦燦と受けてきた世代に属する私。何かのドキュメンタリで、確か司法委員会かなにかで、ニクソンは有罪か無罪か?という質問に、一人一人がマイクに向かって、「Guilty」「Not Guilty」と言っていくシーンを覚えている。本当に辛そうに「Guilty」とマイクに吐き捨てた一人の委員の顔に、アメリカのすごさみたいものを感じた。少なくともあの時は。
いろいろな時代にいた自分を、呼び起こさせてくれる、それも映画、なんだろうな。
junco
January 17, 2007