いらっしゃいませ、
大学を出て、ほとんど休みなく社会で働いてきて、失業期間や無職期間も、
次の仕事のための勉強をしたり、求職活動したりしてきたから、「仕事というものをやめた」
という感覚はなかった。
いつになったら仕事しなくてよくなるのかなぁ、なんてよく旧友と愚痴ったり
したものだけれど、実際にはそれがとても怖かった。
専門の仕事も、若い人が出てくればどんどん機会はなくなっていく。
だから新しいことを(同じ業種で)常に吸収していかなければならないのも
楽しいという感覚はなかったな。
「夢は庭いじり」
なんて働くもの同士で、自虐的に言っていたものだけど…
今、してるやん、私。
仕事は再開したけれど、フルで働く選択をしなかったから、
雨の日以外は、庭にいつの間にか立っている。
夢はかなえるためにある、なんて陳腐なフレーズがあるけれど、
その夢に向かって何か特別なことをしたわけでもなく
気がついたら夢の場所に立っていることもある。
いちいち、自分の今を言葉して確認したり、意味づけたりする
タイプじゃないから。
春の暖かな日差しの中で庭に立ち、果たして私は本当に夢見てたんだろうか、
って思い、でもいちばん心が落ち着くひとときでもある。
いやなことはしばし忘れる。
そう、「庭」っていうぐらい、広い場所もあるのだ。
いままでそのありがたみを取り立てて考えなかったのだけれども、
ああ、これすごい贅沢…と立ち止まる。
1年かけてやっと咲いた花が、たまらなくいとおしい。
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