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Hōkele Malama Columns

親ページが「Residencial Azul」から「Hōkele Malama」に変わったので、このBlogのタイトルも変わりました。渾身の(とまではいかない)Columnページです。

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「山月記」とか「檸檬」とかが本棚から落ちてくる。

いらっしゃいませ、


ひさびさに、何冊か本を買ってちょびちょび読む。ひさびさに映画館に行ったり、じっくりTVで映画を観たりする。やっとストーリーのある夢を見るようになった今日この頃。


本は、書店で池澤夏樹の「静かな大地」、庚申事変で淡路から北海道の静内へ渡った稲田藩の幼い兄弟が、北の大地で成功をとげやがて没落する話。「北の零年やん」とその話をすると必ず言われる。知らんかった。で、ちょっと調べてみたらかなりひどい映画だったらしい。庚申事変の史実を踏まえていない脚本で、つまりあまり教養のない人たちが撮ったらしい、とのこと。本書の方は、なんで池澤夏樹がこんなの書くのかな、と思ったら彼の母方の先祖がモデルなんだそうで、だからかなり濃厚だし、もちろんその上でさらにしっかり調査をしてある。ただ、やはり現代の人が、すでに知られている事実を、主人公の一人称でリアルタイムに知ったり体験したりするくだりを書くと、なんとなく、なんとなく、なのだ。うまく言えないけど、「わかって書いてる」感がドライヴするのだ。しょうがないんかな。どちらかというと池澤さんのこれまで読んできた作品は、文筆力で、というよるは題材やプロットに惹かれて読んだ、っていう感が強い。これもそうかな。でも、テンポもよいし、エデユケーショナルでもある。


それから実家に行ったとき本棚から落ちてきた「現代日本文学館 中島敦・梶井基次郎」。この二人を組み合わせる理由ってなんなのですかね。帝大つながり?基次郎さんは中退しているようですが。なになに、夭折した天才達の名作を一冊に、らしい。


村上春樹の中の中国」。村上氏を評論したものって、っていうかとにかく評論ものってあまり好かんのだけど、ウォン・カーワイとか「森高羊低」(中華圏では「ノルウェーの森」の評価が高く欧米では「羊をめぐる冒険」の評価が高い)とか、氏の作品の中華圏の翻訳家の話とか、いろんな視点からアプローチしようとしているのが面白そうで買った。


やさしい切り絵」。そうさ、こんなこともしたくなるのさ。


ハワイ・ブック」。Road To Hawaiiの一環としてちゃんと読んでおかないと。火山とか花とか歴史とか神話とか、ちゃんと。


で、それらを日々ちびちびつまみ食っている。一気に読みたいときもあるのだけれど、これから蒸し暑い夜のことを考えると、やはりビールのつまみのように、ちびちびと。


「人生は一度しかないし、一生のうちに読める本は限られている。つまらない本を読んでいる時間がもったいないの。」20代のときにであったある女性の、極論といえば極論。彼女は本を選ぶときは、非常に慎重だし、どんなに評判のよい本でも、最初の何ページがで読む価値がないと判断した本は捨てる、と言っていた。確かに、彼女に薦められて読んだ本は、好き嫌いは別として、一本通ったところがあった。


平積みのベストセラーを無視して、己の目と足で本との出会いを求め彷徨うべきか、ベストセラーはそれなりの理由があるわけだから、必ず目を通すべきか、って所になるんだけど、己の目と足で探し出した本の中にベストセラーがあればそれが一番よいのかなと思うが、個人的にはそういうケースはあまりない。ある時期のベストセラー本を後年図書館とか古本屋で見ることはあるが、中身をみて「ああ、読んでおけばよかった」というものにはほとんどあたらない。自分の読書歴はそれなりに自己評価しているし、この本に時間をとるべきか否かの臭覚は少しはあると思う。そりゃあ、平積みの本や流行っている映画を観るのは楽だ。自分で探して選ぶ方が時間がかかるし、もちろん失敗することもあるから、前述の極論と相反するように一見思えるけどやっぱり違う。その時間の価値が。


まあ、とても個人的な思いです。普段あまり本を読まない人、これから読みたいけど何を読んでいいかわからない人は、手っ取り早い方法を取って行くのがよいと思うけれど、やはりいつかは自分の目と足とこころで本や映画を選択できるようになって欲しい、と思うわけです。
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自分史・自伝的小説・自分探し

なんか、「中国の大連で、自分史を作るのが流行っています。」っていう、特に知る必要もないニュースを、朝の某国営放送でやっていたりする。かの国の人々のナイーブさを垣間見るひととき。

そんなこんなしているうちに、某国営放送が毎日15分づつ流している「コマ切り女の一生」をぼんやり見つめる。ついこの間までは、「宮崎あおい」ちゃんの人生だったのが、最近は「藤山直美」ちゃんの人生なのだ。うん、この放送局は最近シュール。

ダンナには評判悪いが、実家の母にはこのドラマは評判がよい。藤山直美ちゃんのご亭主役の役者さんが渋くて、自然でよいのだそうだ。このドラマの原案者は、田辺聖子ちゃん。自伝的小説なのだ。なので、ご亭主は「カモカのおっさん」。

田辺聖子ちゃんの著作は、むかーしに1,2冊読んだだけで、特にファンというわけではない。でも、今回のドラマのキャスティングで、自分役に直美ちゃんをあてた(もちろん本人のキャスティングではないだろうが、それを承諾した)ことで、好感度アップ。

だってさ、何年か前にやっぱり「自伝的小説ドラマ」があって、その脚本家女史は自分の若い頃の役を、美人女優にさせた。スガ子が成美ちゃんだよー。やりたい放題、傍若無人、向かうところ本日も敵なし。この人も昔はいい本書いてたのにね。歳を取って才能が失われていく哀れさを、最も象徴的に体現している人のひとり。でもそれでも生きていく術を持っているのは、これは別の才能。サブの才能はいくつか持つことにこしたことはない。

ふと思ったのだけれど、自分探し、なんてしちゃうひとは、50歳ぐらいになったらきっと「自分史DVD」作っちゃったりとか、「自伝的小説妄想」なんてするんじゃないだろうか、かなり高い確率で...

19, November 2006
junco

 

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被写体に恋をしたらシャッターを押し、フワフワしてきたら文章を書き、もわもわしてきたら花に水をやっています。
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