いらっしゃいませ、

さて、6月の徳島での練習会。6月1日はおりしも『世界一低い山』弁天山の山開きだった。「
T家のコラム-ファドヶ島」にも書いたのだけれど、何かの区切りに必ずこの弁天山は登場する。徳島ジャズストリートへ出演の決意も新たに!...だったかどうかはさておき、
6月25日にKが先にリスボンに発つ。さて、そうなると、私の練習態度がガラリと悪くなる。てか、練習しない。仕事から帰って、ご飯作って、ご飯食べて、ビール飲んで、って中に、なかなか「ブン・チャ」の練習は入り込めない。仕事の方もゴタゴタしてくるし、とにかく早くリスボンに行きたい。。。
っていう思いは、当然時が解決して、7月5日現地時間の深夜、宿泊先のベッドに倒れこんだ。
ポルトガル滞在中は、Kのポルトガルギターの師匠であるアントニオ・パレイラ先生の田舎のおうち(海側のアレンテージョの小さな村にある)に泊まった夜以外は、すべてCasa do Fadoで過ごした。そのうち、
Velho Pateo de Sant'Ana (パレイラ先生の弾いているお店、以下Pateo)、
Fado Maior ではKが弾くので、写真を撮ったり、Pateoの大部屋のときは端っこに座って、失礼なポルトガル人の子供にじろじろ見られたり(どこの国に限らず、子供は失礼なものだ。)しながら過ごす。
さて、Pateoでは、演奏待ちのギタリストやファディスタたちは、エントランスと大部屋の間の空間で過ごすことが多い(サッカー放映のある日は、テレビのある部屋なんだけど)。そこで座っていたときに、Kが「彼女は最近ヴィオラを練習している」って言ったもんだから、当然「弾け、弾け」ってことになる。(Kの生徒さんがこの店に行った時も、楽屋で「弾け、弾け」と言われて、舞い上がって一番嫌いな曲を弾いてしまったそうな。)
大部屋の端っこに立ててあったヴィオラを誰かが持ってきて渡す。飾りだと思ったら、ちゃんとチューニングが合ってるの。実用的なのだ。(ちなみに、同じように飾りっぽくそこに掛けてある黒いショールは、オーナーの奥さんが歌うときに、サッと取っていくのだ。)
そこで、ここんとこ全然練習していなかったのが仇となって、「レモン売りのローザ」のコード進行が全然出てこない。「覚えてへんの?!」って、Kに突っ込まれる。おぼえてへんわ、そもそも。それでも適当に2コードとか弾いていたら、ヴィオラのギレルメさんが、「オレの代わりに次出てくれよ」とか物憂げに言ったりする(この人は全体が「物憂げ」である)。基本的に、ここの人たちは優しい。たいがい誉めてくれる(女だったら特に)。なので、ニコニコと受け流し、適当なところで切り上げる。でも、そうか、これを、「リスボンで修業し、」ってことにして、ジャズストのプロフィールにしてもいいかも(しないけど)。
一晩だけ、二人でちょっと正装して、バイロ・アルトの有名店「
O Faia」に行った。前回(2006年)、リスボンに行ったときはPateoで唄っていたChicoさんが唄う日、というので。さて、そのChicoさんの歌を、私たちは「O Faia 貸切状態」で観ることになる。 (続く)
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