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Hōkele Malama Columns

親ページが「Residencial Azul」から「Hōkele Malama」に変わったので、このBlogのタイトルも変わりました。渾身の(とまではいかない)Columnページです。

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さあ、ファドを弾いてみよう #6 真夏の鯛焼き

いらっしゃいませ、

さて、リスボンから帰ってきてすぐにギターを取り出して弾く。気持ちが盛り上がっているせいだったのでしょう。すると不思議、今までモタモタしていたコード変更のときのベース音が自然に出てくる。お!リスボン効果!心なしかリズムも本場っぽい気までする。

が、こんな調子はすぐ消える。

海外に行くと、普段しないことをやらなきゃいけなかったり、もちろん日本語じゃない言葉をしゃべったり、また日本人と違う人々と混ざり合って過ごしていると、日本に帰ってきてしばらくの間は、そのままの「日常的でない自分」でいけることがある。若い頃は特に、何事にも自信をもってテキパキ動けたり、英語をおっくうがらずにしゃべれたり。けれど、こんな調子もしばらくすると、日本の湿気とともに沈下していく。それと同じことなのかもしれない。現地の風に吹かれて、「雰囲気」をまとって帰ってきても、結局それは「ホコリ」みたいなものだから、日本のじっとりとした風に、すぐに持っていかれてしまうのだ。

昔、「バイリンガルの研究」という学問について、英語学の博士号をアメリカで取ったという同僚がこんなことを教えてくれた。
「バイリンガルは自然に生まれるものではないの。外国で暮らして、現地の小学校で英語で話し、家に帰って親と日本語で話す生活をしている子供は、二つの言語を毎日使う訓練をしているのであって、日本に帰って英語を見聞きする機会がなくなると、すぐに英語は忘れてしまうの。バイリンガルを保つためには、日本に帰ってからも英語を同レベルの環境で使い続けたり、意識的に勉強し続ける必要があるの。バイリンガルは人為的に育てるものなの。」

ほお、って思った。この努力は大人になればなるほど大変になってくるのだ。確かに。

話は、ちょっとだいそれた方にいっちゃったけど、本場の国で付いた「ホコリ」を定着させるには、その感覚を忘れないように練習し続けなければいけないし、さらに思うのだけれど、そもそも「ホコリ」ではどっちみち吹き飛ばされてしまうので、ちゃんと「技術」をきちんと理解して持ち帰らないと、何をどう練習し続けてよいのかわからないのだ。

では、私が1週間で理解したヴィオラの「技術」とは。。。ないよ、向こうで習ってきたわけじゃないから。だけど、「ファドは楽しい」。それだけは身体がまだ覚えている。徳島では楽しく弾こう。

7月の徳島は、暑い。大道フリーゾーンの冷房をつけてふと大通りの向こうをみると、ない。鯛焼きやの行列が。これはもちろん暑さのせい?実はそうでもなくて何ヶ月か前から、以前のような行列がない。
「徳島の人は、すぐ飽きるんよ」 ファディスタのKKさんが言う。そうそう、今回KKさんは「コインブラ」をやるんだっけ。毎日Pateoで聴いたな。そう言えば今回は、「難船」や「暗いはしけ」や「Chuva」を唄う人はいなかったな。なんだか、あんなような曲たちはPateoに似合わないような気がしてる。あくまで「気」だけど。

話がそれた。そう、で、鯛焼きを買う。やっぱり「小倉あん」は美味しい。冷房の効いた部屋で、ホクホク頂く。今回は、練習を録音した。やっぱり、唄がないと、なかなかタイミングとかが分からない。大阪に帰って、KにMP3に入れてもらって、毎日通勤電車の中で聴く。

そんなこんなで、あっという間にジャズストの日がやって来た。前日の夜に遅いフェリーで徳島港に着くと、やっぱりMTさんが迎えてくれた。この瞬間が一番ホッとする。

そして、本番。なんだかとても意外に展開していく。(続く)

 
 
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