いらっしゃいませ、
何か決まったテーマでブログを書き綴ってみたい、でも「コラム」って感じでもない。そう以前「東○イン」のことを書いて、ああ今まで通り過ぎて行ったホテルや宿泊施設のことを思い出すことは、思ったより自分の内部に入り込んでいく作業だな、面白いな、と感じ、そんなこんなでいろんな国の色んなホテルのことをしばらく書いてみたいと思う。
初めてハワイに行ったのは、1989年6月。覚えている人は少ないと思うけれど、「天安門事件」真っ只中だった。誘われて乗った旅行だったので、計画すべて友人まかせ。全員初めて行くくせに、行き先はマウイ島、宿泊はコンドミニアム、移動はレンタカー、というかなり大胆なもの。
当時は「コンドミニアム」って何?マンションに泊まるの?って感じだったけど、泊まってみるとキッチンはけっこう充実してるし、部屋はホテル仕様より広いし、洗濯機と乾燥機も部屋の中にあったし、ちょっとした日用品の買い物は施設の中でできた。宿泊費も同じような広さだったら断然ホテルより安い。こんなええもんが世の中にはあるのか、と思った。そのとき、ハワイは、「フリー旅行、コンドミニアム、ネイバーアイランド、レンタカー」であるべきだ、と刷り込まれたに違いない。
で、2度目のハワイも「フリー旅行、コンドミニアム、カウアイ島、レンタカー」となった。レンタカーについては、まったくもって勝手なのだけれど、私自身運転しないので、当然できる連れに負担がかかる。なので、ナビ、ホテルでのやりとりを引き受けて、車を使わない日を、隔日で設けるような計画を立てた。だから、ある程度、「居るだけで心地のよいコンドミニアム」を探す必要がある。当時、ABroadが出していた「ハワイのホテル・コンドミニアム」という幻の雑誌を隅から隅まで読み込み、結局「カウアイ島のコンドミニアム」の最初のページにでかでかと載っていた「キアフナ・プランテーション」に決めた。
1995年当時のキアフナ・プランテーションは、改装工事が終わったばかりで、というかまだ途中で、レストランは新築中だった。さらには、何年か前のイニキ(台風)で、隣接するホテルがほぼ崩壊し休業を余儀なくされたため、周りのモールなども人気がなく、車を降りたときには何となく「僻地に来てしまったか」感があった。
そんな、ちょっとしょんぼりした私たちを知ってか知らずか、ビーチボーイの○君は、施設内用の小さいカーゴに私たちを乗せて、ビーチや庭園やコインランドリーやらへ引き回したのである。「コインランドリー、外やん~」と私らのテンションはさらに若干落ち込んだのだけれど。。。
しかしながら、カウアイ島の、他の島にはない緑の豊富さと、人の少なさと、すべてがシンプルな時間の流れに私たちは当然なじんで行った。この島は、2・3日で出てはだめ。かといって、ずっといると体が溶けて、風に舞ってしまうかもしれない。
「外かー」と最初はブーたれてたコインランドリー。ぶらぶらと5分ほど施設内を歩く(ここは広いのだ。)洗濯物を放り込んで、部屋に戻るのも億劫で外でだらだらしゃべっていたその時どちらともなく気づいた。
360度、天空に敷きつめられた星・星・星。乾いた洗濯物をしまいこんで、急いで部屋に戻る。夕食の番をしていてくれたもう1人の友人を、「はやく!はやく!」と部屋の前の庭に連れ出す。あっけに取られていた彼女も、空を見上げて黙ってしまう。庭を突っ切って浜辺に出ると、星は海にも降り注いでいた。それから毎晩、私たちは星を見るのが楽しみになった。天の川は、英語で表現するところの「Milky Way」そのもので、本当に「白濁」していた。
キアフナでの最後の夜、私は夜中そっと部屋を出て、庭の中央で、「星の天蓋」の下に寝そべった。
それ以後、あの時のような星々を私は未だ見ることはない。ハワイ島のマウナケアに登ったが、あそこは大気が澄んでいるので、星が「鮮明に」見えるところだった。キアフナの庭のような無節操さはなかった。
あれから10年以上の時が流れて、今ではキアフナも日本の代理店にネットで予約できるようになっている。当時は直接FAXだったものなぁ。。。アウトリガー傘下になってるし。今日本人スタッフがいるかどうかはちょっとわからない。ただ、オアフと同じように思っていると不便さを感じると思います。でも、不便なんて、忘れなきゃ。それに変わるものが無数にある場所だから。
Kiahuna Plantation
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