いらっしゃいませ、
ホテル、コンドミニアム、ペンサオン(※ポルトガルの簡易ホテル)、ボウダーザ(※ポルトガルの旧跡などを回想した国営のホテル)、旅館、民宿、コテージ...
いろいろな国のいろいろな種類の宿泊施設に泊まった。ただし、バックパッカー用の安宿の経験はない。そういう旅はしなかったのだ。「深夜特急」は好きだが、「深夜特急のような旅」は好きではない。
ずっと泊まってみたかったのが、「B&B」。Breakfast & Bedの略。朝食つきのお部屋、ってことだけれど、ホテルではない。大家さんが居て、同じ敷地の中の離れなり部屋なりに泊まり、朝食は大家さんがサービスしてくださる、というパターンが多い。
ハワイ・カウアイ島の「キアフナ・プランテーション」の近くに、こじんまりしたB&Bがいくつかあり、いつかこんなところにも泊まりたいね、って思っていた。
2007年、初めてのハワイ島。かなり入念に調査を(ハワイ島本やWebをチェック)し、宿泊地・宿泊先を絞り込んで行く。ハワイ島の特徴は、「いいホテルは限りなく高く、経済的なコンドミニアムもそこそこ高い。」
ハワイ島のB&Bは数年以上前に確かニック加藤さんの本で、ちょっとした(ほんとうにちょっとした)ブームになった。ただし、ハワイ島のB&Bは、海や街から若干以上離れているところが多い。
どのみちどこへ行くにも車だし。ってことで、えい!と申し込む。メールを出した先は、
1st Class B&B
ちなみに↑のサイトに投稿されている写真は、私がアップしました。コメントは違う人です。
まあすごい名前だわ。で、大家さんは英語オンリーだから、預かり金をTCで郵送して(すごっくワイルドでスリリング)、予約完了するまでハラハラドキドキの毎日だった→
こちら。どこかのクチコミサイトで、このやり取りでトラブルがあってこのB&Bを「星ひとつ」にしている人がいた。これだけのデジタル&インターネット時代だが、やりとりはすごくアナログ。だってその相手は、うーん多分70歳は過ぎているおばあさまなのだから。Webサイト立ち上げてたり、E-Mailでやりとりするだけでも「すごい!」って思ったけど。「星ひとつ」にした人は、彼女がそんな高齢とは思ってもいなかったんじゃないかなぁ。結局泊まらなかったみたいだし。
実際会ってから...
「このあたりに、システムがあるのよ。」
彼女が部屋の上の方に向かって、腕を回す。最初はなんのこっちゃ、とぼんやり見ていたのだけれど、「ああ、」と気づいた。無線LANね。
とくかく、彼女と対峙するときは、何事も一呼吸おくと、おもしろいのだ。なので短期間の滞在だと、もやもやしたまま帰る恐れがある。なんか干渉されて、怒られて、なんなのよ、みたいな。幸運なことに、Kがこの手のおばちゃんに何故か愛される。大家さんD(と呼びます)は、私らを頼りないアジア人カップルと思ったのか(確かに頼りない)、いろいろ世話を焼いてくれる。これがうっとうしく感じたら、B&Bはあきらめるしかない。
大家Dが、こまごま私たちに指示する。Kが答える。
「OK, mom.」
大家Dが、キッとなる。
「I'm not your mother. I'm your grandmother!」
確かに。
このハワイ島の旅は、夫であるKの健康状態があまりよくなかった。でも運転してもらわんことにはどこにもいけないBig Island。けっこう彼にはきつい旅だったのだ。私の夢に付きあわせてしまった。
後日、「またハワイ行きたいなぁ」と私。二度とイヤや、って言うかと思ったら、
「ハワイ島やったらいい。」
かなりオアフ、というかワイキキは辟易した模様。私もこれには同意見だった。
「Dに会いたい」
うん、私も会いたい。
あれから、私たちもいろいろ生活が変わった。簡単にいける場所ではないけれど。
いつの日かまた。大家Dと、Gekkoたちに会いに。
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