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Hōkele Malama Columns

親ページが「Residencial Azul」から「Hōkele Malama」に変わったので、このBlogのタイトルも変わりました。渾身の(とまではいかない)Columnページです。

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さあ、ファドを弾いてみよう #5 声力

いらっしゃいませ、

もう少し、リスボン。

今回は、いろんな人の歌を聴いた。素人さんも含めて。
とにかく、夜遅く聴くわけだから、歌手によってはその歌唱が睡魔を増幅させることもある。
Pateoでは、初めて聴く男性歌手が1人、それから何故かリスボンでコインブラファドを歌うおじさん1人。本当にこの人の時はイスから転げ落ちそうになった。コインブラファドってもともと面白くないから好きじゃないんだけど、リスボンファドと一緒に聴くとよけいつまらなく感じる。なんか、損した気分になるのは私だけやろか。他のステージ全体のバランスも悪くなる。

もう1人の人はリスボンファドだったんだけど、「何で眠くなるんだろう?」ってKに聴いたら、「表現力ないんやろ。」
そうか、バレットさんやシーコさんやジュリエッタさんの歌はメリハリがあって、ギュっとなる瞬間があるんや。眠気も吹っ飛ぶ。それと、声や歌唱に表現力がある人は、「歌の終わり」で違いがわかるような気がする。

CDでは、普通に歌が終ることが多いのだけれど、ライブの場合は、
 
歌を止めて、アカペラ状態で歌を盛りあげて、再び伴奏がついて終る。
歌を止めずに、歌を盛り上げて、終る。

一つ目は分かりやすいので、誰でも「ああ歌の終わりで盛り上げてるんだ」って分かる。二つ目は聴きなれていない人は不意をつかれるようにも思うのだけれど、やっぱりうまい人は自然に、本当に何気なく曲を盛り上げて、聴く人を歌の終わりに導く。個人的には、二つ目の方が好き。ファドの醍醐味を感じるのだ。

伴奏を勉強してて、二つ目の方をやるとき、ファディスタにそうとうの声力がないと、伴奏している方が気が付かないかも、って思った。もちろんプロの人はどこで終るのか分かって弾いているからいいんだけれど、素人ヴィオラ弾きの私はわからないんだな。だから、止まってもらうほうがいいのだけれど、え、あぁ、止まったの?と慌てて伴奏を止めることになる。歌を止める方も、止まる前に、ボディアクションもなく止まるのが分かる人もいるのだ。つまりそう、これも声力。声が大きい、のとはちょっと違う。

実際に、ファドの中に入って、それでまたファドの外に出ると、初めて聴こえてくるものがあるなあ、って思った。さあ、日本に帰って、徳島に行って、またファドの中に入ろう。

たくさんのプレーヤーやファディスタに、たくさんのObrigadaを言って、深夜2時、リスボン空港を飛び立つ。「Bom Dia」と声をかけられて。 (続く)

 
 
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さあ、ファドを弾いてみよう #4 ファド博物館はおおにぎわい

いらっしゃいませ、

さて、バイロアルトの名門Casa do Fado「O Faia」には、2周目めの演奏が始まる前に入った。Kが、フロアボーイに「今日は、セニョール・シーコは歌いますか?」と訊く。お店はおぼ満席で、私たちは店の一番奥の、少し高いところの席にすっぽりおさまって、サングリアとビールをちびちび飲みながら、ファドとか聴く。「ファドとか」って書いたのは、ときどきファド以外の曲を歌手が歌うから。スペインの歌とか、フォルクローレとか。そんなとき、気のせいか照明が真っ暗にならない。

ファドが唄われるときだけ、店の照明は落ち、「歌手」は「ファディスタ」と呼ばれるのだろう。

...なんて。

Chicoさんの前の歌手のあたりから人が減っていく。そもそもこの店は団体客が多いから、引けるときは一気である。ミスター・ビーン似のフロア係君が、私たちを演奏フロアのかぶりつき席に案内してくれた。その時には、まだ個人客がちらほらいたのだけれど、後ろから「やあ、よく来てくれたね」って感じでChicoさんが音もなく、それでもでっかく登場した頃には、客は私たちだけ。

こんな感じ。
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「O Faia」貸切、Chicoショー。それでもChicoさんは、力強く暖かい声でさすがの歌唱を聴かせてくれた。いい人だ。

夜はそんな感じで過ごしたのだが、ほぼ毎日出かけた先のひとつが「ファド博物館」。実はこの夏の間、リニューアルのため閉館中。ただ、私たちが行くのは教室で、こちらはずっとあいている。受付で「パレイラ先生いる?」って訊いて、正面左側の階段を下りる。このスクールには色々な人がやってくる。一番多いのはやっぱりポルトガルギターを習う人。おっちゃんから10歳の男の子まで(この子がいちばん上手だった。)歌を習っている人も1人来た。地声で唄うのがやっぱりいいなぁ。楽しそうに数曲歌って帰っていった。伴奏は、パレイラ先生・K・パレイラ先生の生徒さん二人、1人はヴィオラ、こんなうるさい伴奏に負けない声で楽しそうに歌ってた。

そうそう、ヴィオラ。1人だけいたヴィオラの生徒さんは、ベンツに乗るおっさん。ここでもKが「彼女は最近ヴィオラを練習している」って言ったので、彼がギターを貸してくれて、先生やKと一緒のところを写真に撮ってくれた。全部ピンボケだったけど。

このおじさんは、ギター歴は長いらしく、ハイポジで弾いたり、「ディミニッシュ・セブン」とか入れまくったりとか、すべてのコード替えでベースを弾いたりとかするんだけど、そのせいか、いやそのせいで、とにかく「くどい」「やかましい」。「弾きすぎて唄いにくいヴィオラ」って話をたまにきくけど、こういうことか。そこに複数のポルトガルギターがかぶさり(先生とK以外は、弾きたがりばっかりだったし)、生徒さんの友達の男性ファディスタも加わり(教室の生徒じゃないぞ!)、そんなセッションが夕方から、レストランの個室に場所を替えて、深夜まで行われた。みんな、好きなのねー。私はもういいや。はやく寝たい。でも、日本でも、弾く人や唄う人がこんな風に増えて、誰かが何か弾きだして、誰かがそれに被せだして、誰かが好きな歌詞で唄い始める、っていうことができるようになったら、いいな。

CDだけで聴いていたファドだけれど、生で毎日、上手なのもへたくそなのもいっぱい聴くうちに、CDとは違うあることに気づいた。(続く)

さあ、ファドを弾いてみよう #3 リスボンにて修業

いらっしゃいませ、

p0034.jpgさて、6月の徳島での練習会。6月1日はおりしも『世界一低い山』弁天山の山開きだった。「T家のコラム-ファドヶ島」にも書いたのだけれど、何かの区切りに必ずこの弁天山は登場する。徳島ジャズストリートへ出演の決意も新たに!...だったかどうかはさておき、

6月25日にKが先にリスボンに発つ。さて、そうなると、私の練習態度がガラリと悪くなる。てか、練習しない。仕事から帰って、ご飯作って、ご飯食べて、ビール飲んで、って中に、なかなか「ブン・チャ」の練習は入り込めない。仕事の方もゴタゴタしてくるし、とにかく早くリスボンに行きたい。。。

っていう思いは、当然時が解決して、7月5日現地時間の深夜、宿泊先のベッドに倒れこんだ。

ポルトガル滞在中は、Kのポルトガルギターの師匠であるアントニオ・パレイラ先生の田舎のおうち(海側のアレンテージョの小さな村にある)に泊まった夜以外は、すべてCasa do Fadoで過ごした。そのうち、Velho Pateo de Sant'Ana (パレイラ先生の弾いているお店、以下Pateo)、Fado Maior ではKが弾くので、写真を撮ったり、Pateoの大部屋のときは端っこに座って、失礼なポルトガル人の子供にじろじろ見られたり(どこの国に限らず、子供は失礼なものだ。)しながら過ごす。

さて、Pateoでは、演奏待ちのギタリストやファディスタたちは、エントランスと大部屋の間の空間で過ごすことが多い(サッカー放映のある日は、テレビのある部屋なんだけど)。そこで座っていたときに、Kが「彼女は最近ヴィオラを練習している」って言ったもんだから、当然「弾け、弾け」ってことになる。(Kの生徒さんがこの店に行った時も、楽屋で「弾け、弾け」と言われて、舞い上がって一番嫌いな曲を弾いてしまったそうな。)
大部屋の端っこに立ててあったヴィオラを誰かが持ってきて渡す。飾りだと思ったら、ちゃんとチューニングが合ってるの。実用的なのだ。(ちなみに、同じように飾りっぽくそこに掛けてある黒いショールは、オーナーの奥さんが歌うときに、サッと取っていくのだ。)

そこで、ここんとこ全然練習していなかったのが仇となって、「レモン売りのローザ」のコード進行が全然出てこない。「覚えてへんの?!」って、Kに突っ込まれる。おぼえてへんわ、そもそも。それでも適当に2コードとか弾いていたら、ヴィオラのギレルメさんが、「オレの代わりに次出てくれよ」とか物憂げに言ったりする(この人は全体が「物憂げ」である)。基本的に、ここの人たちは優しい。たいがい誉めてくれる(女だったら特に)。なので、ニコニコと受け流し、適当なところで切り上げる。でも、そうか、これを、「リスボンで修業し、」ってことにして、ジャズストのプロフィールにしてもいいかも(しないけど)。

一晩だけ、二人でちょっと正装して、バイロ・アルトの有名店「O Faia」に行った。前回(2006年)、リスボンに行ったときはPateoで唄っていたChicoさんが唄う日、というので。さて、そのChicoさんの歌を、私たちは「O Faia 貸切状態」で観ることになる。 (続く)

さあ、ファドを弾いてみよう #2 音源に馴染もう。

いらっしゃいませ、

コード譜ができて、「ブン・チャ、ブン・チャ」の練習を始めたわけだけど、今回のライブは全部で10曲、ポルトガルギターの2コードアドリブ弾きを除いても9曲、そのうち、初めて聴く曲が3曲、ということで、まず曲に馴染む必要がある、と、Kに音源をもらう。以下がセットリスト。

01. Cavalo ruço
02. Laranjeira florida
03. Confesso
04. Coimbra
05. Variações em fado corrido
06. Júlia florista
07. Tudo isto é fado
08. Estranha forma de vida
09. Não venhas tarde
10. A Rosinha dos limões


まったく知らなかったのが、1と3、普段ほとんど家の中では聴こえない4と8。曲に馴染まないと、テンポも取れないし、入り込めない。なので、MP3に入れて通勤時間に聴くようにしたのだけれど...

まずもらった「Confesso」が困った。オーケストラがバックのアマリア版。リズムもわからないし、単に音楽として聴くだけでもしんどい代物。男性版の、ちゃんとしたファドの伴奏のやつを探して入れてもらう。
でもどうなんやろ、初めて聴いたファドが、バックがオーケストラだったり、サックスだったり、ピアノだったりすると、そしてそれがいいと感じると、ずっとそっちがそうだ、って思ってしまうんだろうか。人それぞれだけど、何か結果的に「もったいない、気の毒な」感じがする。私ははじめて聴いたのが、旅先の名も知らぬCasa do Fadoの、おっちゃんのポルトガルギター伴奏でつくづくよかったなあ、と思う。あのリズムが好きなのだもの、オーケストラやピアノの伴奏によるあのドライブ感のなさは、スーパーマーケットや商店街のBGM化された哀しき名曲たちを、何故か思い起こさせる。いくらアマリアでも、ファドには聴こえない。(まあ、この人は「自分が歌えば全部ファドよ」って言っちゃう、愛すべき天才だから、いいのだ。凡人は真似しちゃいけないと思うけどね。)

次に困ったのが、「Estrada forma de vida」、これもアマリア版なのだけれど、ギターの伴奏が「ブン・チャ」でなくて「アルペジオ」。どこまで自由なんだ、この人は。とにかく入れてはもらったけど、アマリアのこの2曲は毎日飛ばして聴いていた。 この曲は、現地練習で、何とか感じをつかまなくちゃ。

さて、コード弾きをしていると、やっぱり合間のベース音もやりたくなる。前述したとおり昔やっていたブルーグラスは、コードの変わり目にギターでベース音を叩く。そういえば、コードの変わり目だなぁ。同じコードが続くところではやらないけど、ファドはやる。これはやっぱり歌の合間のもの、歌手が歌いやすいように、っていうとこからなのだろうか。ベース音の入れ方は、ブルーグラスとは似ているようで全然違うので、Kに入れ方のパターンを教えてもらう。

なかなか身につかないでいると、Kに「ちゃんと弾けないんだったら弾かないように。歌を邪魔したら駄目だから」って言われる。ちょっと哀しくなるけれど、やっぱり弾きたい。じゃあ、弾けるようになって、歌を邪魔しなきゃいいのだ」

実は、弾きたいところでちゃんと弾けるようになったのが、本番前のリハのとき。スリル満点ですね。

まだ、しかしながら、あまり実感のわかなかった、この頃... (続く)

さあ、ファドを弾いてみよう #1 500円のフィンガーピック

いらっしゃいませ、

2e9ac36c.jpegさて、先日(8月4日)、徳島ジャズストリートで、ウン十年ぶりのライブ出演をしました。ファドの伴奏(ギター、現地の言い方だとヴィオラ)でした。いやあ、大胆なことをしたなぁ、って思うのですが、それにいたる顛末とか、間にリスボンに行ったときのこととかを交えながら、何回かに分けて書きたいと思います。ある程度のものがかけたら、「T家のコラム」にアップするかも。お付き合いのほどを。

8月のジャズストリートに出る、というのがきちんと決まったのがいつだったのかは、はっきりしなかったのですが、自身のギターで「徳島ファド教室」の伴奏のお手伝いを、と考えていたのはいたので、「Martin D-28」に柔らかい弦をKに張ってもらいました。それが春ごろかしら。

ファドのリズムは「2拍子」が基本。「ブン・チャ、ブン・チャ」。1999年にリスボンで初めてファドを聴いてから、考えたら10年近くにはなるけれど、ただ「聴いた。観た。」だけで、特に興味がなかったのは確か。実際に深くコミットし始めたのは、やはりEsquina do Somの写真やライブのお手伝いを始めてから。だから、5年ぐらいは聴いていることになる。とりあえず聴いた感じで伴奏してみたところ、まず指摘されたのが、

「ベース音が小さい」

「ブン」のところですね。後述しますが、学生の頃にやっていたのが「ブルーグラス」というアメリカの音楽。これも二拍子ですが、「ブン」のところはピックで上からガツンと叩いて弾く感じ。だけどファドの「チャ」は、普通のピックでは弾けない。

そこで、「フィンガーピック」の購入を考える。近所のヤマハに出かけて、物色。安いのは100円以下でもある。ここで、年齢的なかつ安易な思考に走る。

「高い方が、いい音が出るに違いない。」

指の大きさに合わせて、サイズを変えられる仕様。500円。けっこうな値段である。しばらく迷ったけれど、年齢相応の判断に走り、購入。この「指の大きさに合わせてサイズを変える」仕様が、後に吉と出たり凶と出たりする。

フィンガーピックを使うのは初めて。確かにベース音が大きくなるけれど、今度は「チャ」の方が貧弱に聴こえる。「チャ」は人差し指・中指・薬指を使う。それ用のフィンガーピックをつけたらどうか、って話になる。つけてみる。シザーハンズのような指になる。弦が捕まえられない。弾いてて気持ち悪い。

地指(?)で頑張る! ってことでシザーハンズ指は却下に。

徳島のファイディスタの曲が決まり、キーも決まったのでコード譜を作る。「ここは繰り返し」「間奏はBメロ」など、ファドには決まりがあるのだけれど、とにかく時間がないから、多分カラダに覚えさせるには時間がかかるに違いない、と頭から最後まで順番どおりのコード譜をExcelで作った。

ただ、まだなんとなく、実感がなかった、この頃... (続く) 

ファディスティック・タマ・バンド

いらっしゃいませ、

26日(土)は、Esquina do Som の「くつろぎプライベートライブ」。毎年、子供たちの嬌声や
泣き声のなか、お母さん達のくつろぎのなか行われます。
今年も、春爛漫な陽気で、掘りごたつ屋敷のお庭の藤も、鮮やかに咲き乱れています。

二人の衣装は、「アロハ」。
ヒロ・ハッティのオリジナルです。
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で、そんなわけでもないのか、そんなわけなのか、ウクレレが登場です。

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曲は、懐かしい「たま」の「人類」。その前に、ギターソロでホルストの「木星」があり、
実は、たまのこの曲のサビは、その「木星」のメロを盛り込んでいるとか。
あら、そういわれて聴くと...

この曲で、子供たちはタンバリンや手拍子で参加。んー、ファドのリズムより
こっちの方が、子供が弾むのかも。

さて、ゲスト楽器は今回コントラバス。毎回いろんな楽器(昨年はバイオリン)が
登場します。楽器を生で見たり触ったりすることは子供たちにとってもいいと
思う。ポルトガルギターとウクレレが人気。コントラバスはちょっと彼らには大きすぎたかな。
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持ち寄った「北摂ロール」は甘かった。

鯛とファドとハワイアン

0003.jpgいらっしゃいませ、

さて、「徳島ジャズストリート」です。リハが終ったあと、待機場所は例の「大道フリーゾーン」、本当にフリーなゾーンです。

お向かいの「たい夢」はやはり、行列。

なんで、こんなに行列できるのかなぁ、って冷たい風の中で、冷静に考える、っていうか、観察してみる。前来た時は、(多分)ご夫婦2人でされていた。今回は、男性が1人増えている。かといって、お客さんの回転が速いわけでは全然ない。行列が出来る理由としては、

★タイヤキ焼き器が5つなので、人数が増えても焼くペースは変らない。
★丁寧に仕事をされていてる。どんなに行列が増えても特にバタバタするわけでなく、お客さん一人一人にきちんと対応している。
★大量に注文する人が多い。

3番目は、神戸南京町「老祥記」に通じるところがあります。

今回は、前回の「小倉あん」に加えて、「ジャーマンポテト」「ウフクリーム」もトライしました。えっと、想像通りでした。かなり腹持ちします。やっぱり「あんこ」が一番おいしいです。

さて、この店、夏はどうするのでしょう。夏季休業とするか、アイス最中っていうのもいいですねぇ。

あ、そうそう、徳島ジャズストリートでした。「阿南サウダーデ」は、広い会場でのライブ。カンノキミさんの「Tudo ist Fado」の時に、どこからか一緒に歌う声が。私の前に座っていたおじさんでした。カンノさんの歌が終った時に、「どこかで聞いたことがあるんですが、シャンソンとかじゃないのでしょうか?」とご質問。「似ている曲はあるかもしれないし、もしかしたら他ジャンルの歌手が取り上げて歌っていたのかも」とKが答える。それにしても、そのおじさん、割と完璧にメロディなぞってたように思う。
MTさんにしても、カンノさんにしても、等身大のファド、っていうのがいい。その人にはその人のファドがある。アマリアが大好きでずっと聞き続けてきた奥さんのファド、知的好奇心と遊び心が生み出すファド、ファドに関わる人々への愛で構成されるファド、演じながら作るファド、これ、すべてファド、なのかもしれない、って思う。だから、もっとたくさんの人が、自分らしいファドを歌うようになって、いろんな人のファドを楽しめるようになったらいいなあ、って思った。それにしても、会場の隅で大声で騒いでいたお客さんを、そっとやさしく黙らせたカンノさん、大人!

さて今回は、「阿南サウダーデ」だけなく、「徳島ハニー・カマアイナス」というハワイアンバンドのライブも観ました。まあ、以前にも書いたけど「ジャズ嫌い」なので、あえてジャズははずすという...とにかく、バンド名に地元の地名がついているのはよいですねー。

なんだか、またタイヤキが食べたくなってきた。

マリリンの口元でキンディンシュがとろける

08-02-02_13-36.jpgいらっしゃいませ、

今日は、京都桂のギャラリーで、Esquina do Somのライブ。ポルトガルワインとお菓子と、チーズやスティックサラダなどをほおばり、ピカソ、マチス、ミロ、ウォーホール、リキテンスタイン、などの名画に囲まれて、ポルトガルギターとギターの生音の絡み合いを楽しむ。私は、久々に、本当に久々に、受付係。

実は、実際に「受付お願い」って言われたことは少なくて、写真撮影に来たつもりなのに、係りの人がいなくていつの間にか受付やってたことの方が多い。いつの間にかドリンク係りになっていたこともある。「ちょっと、水もってきてくれへん?」と、明らかに年下に言われてキレかかったこともある。ああ、若かった。少し。
まあ、懐かしい、ってことのほどでもないなぁ。そういうこともあったねって感じで。割と長いこと何かを続けていると、「あの頃は...」って妙に思い出を連帯しようって人がいるけれど、思い出なんて実際みんな別々のとこにあったりするのよ。

さて本日の、甘乃芙美ちゃんのお菓子は「キンディンシュ」(くわしくは芙美ちゃんのサイトで)。実は今まで口にしたことがなかったのです。イベントが終る前にまっさきに売切れてしまう人気お菓子なので。今日のキンディンシュは今までのイベントの中で一番大きく切ってあって、ものごっつい食べ応え。でも、美味しかったです。私が言うので、お世辞ではないです。

d701833ejpeg今日は寒かったし、おまけに場所は京都の桂。手先を暖めながらの二人でした。後ろに「マリリン」の本物。版権の問題もあるので何となく背景に、って感じでお楽しみください。

実際に観たい!という方は、明日(3日(日))もあります。詳しくはこちらから。明日は受付は「専門家」にお任せして。

水ちゃんは明日も「アメリアの遺言」を弾いてくれるかな。

徳島通い再開

いらっしゃいませ、

Kの「徳島ファド教室」に半年振りに同行。そうか、その前は徳島ジャズストリートのときでした。「ファドヶ島」を書いたり、MT氏が大阪で歌ったりしていたので、ブランクを全然感じなかった、と思った矢先、

「鯛焼き屋ができてる!」

まったり練習スペースでおなじみ(?)の、フリーゾーン大道の向かいに。その名も「薄皮たい焼き『たい夢』」。常に行列ができているので、気になってならんでいたら、並んでいた常連さんが初めての人に「おいしいですよ。ジャーマンポテトもおいしい」みたいな話を。ジャーマンポテトだと!そのほかにも「ウフ(卵)クリーム」や期間限定の「チョコレート」もあり。でも、まずは「小倉あん」で、基礎を試す。5つ買ってフリーゾーンへ。

今回はジャズストリート直前練習、ということで、曲順を決めたり、初めての曲をする伴奏のJJ氏との打ち合わせがあったり、KMさんの新曲でサイズを決めたり、濃厚な、かつ効率のよい時間が過ぎる。もちろん、その前に「鯛焼きとK&MTのスペース・トーク」もあったり。

MT氏といえば、彼も新曲を持ってきたのだけれど、1回唄って、「キーさげてもらえんやろか」でキーを下げて1回唄って(2回ともシラッと)、とてもいい感じ。凄くむずかしそうな歌だったんだけど。迷いがないなぁ、彼の歌、っていつも思う。まあ、合わせの段階で、あーでもないこーでもない、って悩むのはみっともないし、周りに迷惑かけるしね。現場では3人とも疑問点や最終決定をクリアし、課題は持ち帰って次までに、ということで完結した。わー、大人な教室ー。公開練習をかなりやってきてるっていうのもあるのかな。いいね、公開練習。

今回のジャズストは、ハコの広いところでやることが決まったそうで。大阪で誰か誘おうかなー。

フォトジェニック・ファド

いらっしゃいませ、

週末は再び徳島へ。「徳島ジャズストリート」に。ジャズ嫌いの私が、なぜジャス・ストリートなぞに?

最近は、ジャズ・ストリートと言っても、他ジャンルの音楽も演奏されているようで、今回は徳島でファドを勉強している人たちの、初ライブの場となった。

去年から、ダンナは月一回、ファドの指導に紀伊水道を渡っていた。私も仕事や写真大学のない土曜日は、付いていっていた。

練習を続けていたのは、ファディスタ二人、MT氏とKimi Kannoさん。そして、伴奏のIT氏。その名も「阿南サウナーデ」。その皆さんの晴れ姿なんだもの。見逃すわけにいかない。

 2月4日(日)、19:00から23:00まで、徳島市繁華街に点在するジャズ・バーなどで入れ替わり立ち代り演奏が行われる。「阿南サウダーデ」も2箇所でライブを行う。おそらく、徳島で本当のファドが演奏され、唄われた最初の夜。観客も、初めて目にするポルトガルギターをまじまじと見つめ、初めて耳にするファドのリズムと旋律をすうーっと受け入れる。

1件目の「コレクター」というバーは、徳島でも伝説的な店。さまざまな恐ろしい逸話を聞かされて、こわごわドアを開ける。ライブのために、部屋のレイアウトはおそらく大幅にいじられてはいただろうけれど、壁際に追いやられた「秘宝」の数々。とにかく、私にとって非常にフォトジェニックなスペース。でも、一度座ってしまうと、満席の店、移動することもできず、とにかくライブ写真の撮影に専念する。

残念だなあー。でも、なんもないときにもう一度入るのは、ちょっと、っていうか、非常にっていうか、怖い。

さて、肝心のライブ。MT氏のファドは、私が今まで聴いた男性ファドの中で一番だった。本格的な発音、言葉を音に乗せるリズム感、張りのある自然な声。巧みに、自身のキャラクターを唄に吹き込む。年末の大阪のライブから、しっかり1曲増やしていた。その「テージョ川のほとり」がよかったなぁ。 もっとレパートリーを増やして!いっぱい聴きたい!

Kanno Kimiさんは、哀感のある独特の節回しを持っている。”Loucura"という、愛の苦しみ・狂気を唄った歌も、ドロドロ感なくあっさり唄える。元々の旋律が哀調を帯びているので、無理して謳いあげることなくても、その節回しで非常に雰囲気よく仕上げていたと思う。

「徳島ジャズ・ストリート」は、なんと年に2回もある。こんな風に、ファドが好きで、唄うことを楽しむ人たちに、ファドを知りたい、聴くことを楽しみたい聴衆に、こんな場がある、というのは素敵なことなのだ。

なんどか、紀伊水道を渡った日々。少しずつ縁が繋がってきて、これからも少しずつ広がっていく予感。私はただ、拍手をしたり写真を撮ったりするだけだけど、「好きなことをする。好きなところに行く。好きな人にあう。」ということを、日々の中でごくごく自然にしている人達の中で、自分の立ち位置を素直に楽しみたいって思う。

プロフィール

HN:
DonaT
HP:
性別:
女性
自己紹介:
被写体に恋をしたらシャッターを押し、フワフワしてきたら文章を書き、もわもわしてきたら花に水をやっています。
写真のこと、旅のこと、本のこと、言葉のこと、音のこと、などを描いて撮ってます。

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